懐かしくやさしいスイートポテト|パーキンソン病患者さんのためのリハビリレシピ

~パーキンソン病患者さんのためのリハビリキッチン~

リハビリ監修:作業療法士 廣瀬哲司先生、理学療法士 岡本香菜子先生
レシピ監修:株式会社おいしい健康 管理栄養士

レシピに込める想い・リハビリポイント

やさしい甘みとなめらかな食感がたまらないスイートポテト。さつまいもに卵、バター、砂糖などを加えるだけのシンプルなレシピのデザートです。いもをつぶすときに、腕を大きく動かすと良い運動になります。2種類の成形をご紹介していますので、やりやすいパターンを選んでチャレンジしてみましょう。

リハビリポイント① 理学療法士 岡本香菜子先生

さつまいもを切るときは、包丁をゆっくりと動かします。特に(後ろに腕をひく)肩の動きや肩甲骨の動きを意識しましょう。脇を締めるようにすると力が入りやすくなります。

リハビリポイント② 作業療法士 廣瀬哲司先生

つぶす動作がありますが、両手を交互に使って行ってみましょう。
また、いもの硬さによっては、絞り袋を使ったさつまいもの生地を絞りだす動作に力が必要なときもあります。その場合は、無理をせずキューブ型の成型方法を選ぶなど、やりやすい方法を選んでみてください。

栄養価(1人分)
【エネルギー】 151 kcal 【タンパク質】 1.8 g
【脂質】 6.8 g 【炭水化物】 20.2 g
【食物繊維】 1.1 g 【食塩相当量】 0.1 g

材料(6人分)

スイートポテト材料
材料詳細
さつまいも 大1本(300g)
グラニュー糖 大さじ2(24g)
卵黄 1個(18g)
生クリーム 大さじ3(45ml)
バター 小さじ2と1/2(10g)
バニラエッセンス(あれば) 適量
卵黄(ツヤ出し用) 1個(18g)

料理を始める前に

【調理前】
必要な道具・食材を準備し、調理スペースや歩く場所に不要なものは置かない。
【調理中】
姿勢を正したり、身体を大きく動かすように意識する。(腰の曲げ伸ばし、肩甲骨をまわす等)
【調理中】
疲れたら座るなど、休憩しやすい環境を整える。

【作り方】

1.さつまいもは皮をむき、厚さ1cmの輪切りにします。

まな板を設置する

【固定する】まな板を使用するときは「ぬれ布巾」を敷いて、その上にまな板を置くと安定するため、安心して作業することができます。

ピーラーで皮をむく

【しっかり抑える】さつまいもの皮をむくときは、 安全のため ピーラーを持たないほうの手でしっかりと食材を抑えます。

2.鍋にさつまいもと、さつまいもが半分かぶるくらいの水を加え、オーブンシートなどで落し蓋をして中火にかけます。さつまいもは焦げやすいので、木べらなどで動かしながら水分を飛ばします。(鍋で水分を飛ばすことで、ざるなどで熱湯をきる必要がなく、水っぽくならずに仕上がります。)

3.さつまいもに竹串がすっと通るくらいまでやわらかくなり、水分が全て飛ぶまで火を入れます。さつまいもがやわらかくなる前に水がなくなりそうな場合は水を足します。

さつまいもに竹串を通す

4.火からおろしたら、さつまいもが熱いうちにマッシャーなどでいもの形がなくなるまでしっかりと潰します。

マッシャーでさつまいもをつぶす。

【両手で作業する】ときどき、マッシャーを持ち替えて両手で作業する様にします。マッシャーは、木べらなどで代用できます。

5.グラニュー糖、生クリーム、バター、卵黄、バニラエッセンスを順番に加えてしっかりと混ぜ合わせます。材料は、1つずつしっかりと混ぜ合わさってから次の材料を加えます。

材料を混ぜ合わせる

【腕全体を使う】材料を混ぜ合わせるときは、ひじも含めた腕全体を使ってダイナミックに動かすことを意識しましょう。

6.オーブンを200℃に予熱します。 5の混ぜ合わせた生地を、大きめの口金をつけた絞り袋に入れて、カップにお好みの形に絞り出します。

絞り袋に具材を入れる
絞り袋をつかって形を作る

【安定させる】5の記事を絞り袋に入れる際は、口金をつけたり絞り袋をコップなどにセットしてから行うと安定します。

7.ツヤ出しに卵黄を刷毛で塗り、予熱したオーブンでこんがりと焼き目がつくまで10分ほど焼きます。焼き目がつかない場合は、3分ほど追加で加熱します。

とびきりおいしいスイートポテト

気分を変えて作るなら

同じ材料と分量で別のアレンジも!
ちょっと違う手順の動きにトライして、新しい一品に仕上げましょう。

とびきりおいしいスイートポテト

キューブ型のひとくちサイズ。
コロコロかわいいスイートポテト

絞り袋がなくても大丈夫!コロコロとかわいくキューブ上の一口サイズに仕上げるレシピもおすすめです。ご家族みんなでお召し上がりください。

生地を四角にきる
気分を変えて①
バットに、厚さ1.5cmになるよう平らにならしたら、12等分になるよう包丁で切れ目をつけてラップをし、冷凍庫で凍らせます。
カットする
気分を変えて②
バットから取り出し、切れ目に合わせてカットしたら、オーブンシートを敷いた天板に並べ解凍します。
生地に卵黄を塗る
気分を変えて③
つや出しに卵黄を刷毛で塗ったら、予熱の入ったオーブンでこんがりと焼き目がつくまで8分ほど焼きます。

リハビリポイント・栄養アドバイス

さつまいもを切るときは、包丁をゆっくりと動かします。
特に(後ろに腕をひく) 肩の動きや肩甲骨の動き を意識しましょう。
脇を締めるようにすると力が入りやすくなります。

理学療法士 岡本香奈子先生

つぶす動作がありますが、 両手を交互に使って 行ってみましょう。
また、いもの硬さによっては、絞り袋を使ったさつまいもの生地を絞りだす動作に力が必要なときもあります。その場合は、無理をせずキューブ型の成型方法を選ぶなど、やりやすい方法を選んでみてください。

作業療法士 廣瀬哲司先生

スイートポテトは、さつまいものおいしさを残しながら、卵や砂糖などを加えるので栄養価がしっかりとアップされています。よりなめらかに仕上げたいときは生クリームなどで調整してください。
同じ鍋を使って一連の工程を作業することで、片付ける際の洗いものの負担も少なく、鍋の取っ手を持って調理できるので安定します。

おいしい健康 管理栄養士