成績アップに食物繊維たっぷりの朝ごはんを

2020.01.08

朝ごはんは毎日を元気にすごすための活力の源。文部科学省の「全国学力・学習状況調査」(2018年度)では、朝ごはんをちゃんと食べている人の方がテストの成績がよいという関連がみられました。同調査によると、朝ごはんを食べないことがある子どもは年々増える傾向にあり、その割合は中学3年生では5人に1人(20.3%)に及びます。こんなにいるんですね。

成績アップのためにも朝ごはんはきちんと食べましょう。4歳から18歳の男女を対象に、朝ごはんとその日の学習成果の関連を調べた研究によると、朝ごはんを食べた日は食べない日に比べて、注意力、実行力、記憶力などを必要とする作業がはかどるケースも報告されています。※1

では朝ごはんにはどのようなものを食べたらいいのでしょうか。脳のエネルギー源になる糖の補給が大切といわれますが、朝ごはんの内容と学習成果の関連を調べた研究報告によると、糖の吸収がおだやかで血糖値が急上昇しない食事をとるほうが学習能力に対してよい効果があるかもしれないとのことです。※2

主食には、糖の吸収をおだやかにしてくれる作用をもつ食物繊維が豊富なもの、たとえば白米ごはんよりも玄米ごはんや麦ごはん、精製した小麦でできた食パンよりも未精製の全粒粉入りのパン、小麦の外皮(ふすま)を使ったシリアルなどがよさそうです。まっ白ではなく茶色っぽいのが、食物繊維が豊富な印です。もちろん野菜や、肉、魚などバランスよく食べるのも大切です。

※1 Adv Nutr 7(3):590S–612S, 2016

※2 Am J Clin Nutr 100(2):626-56, 2014

監修:川田浩志(東海大学医学部教授)