おうち時間のドライアイに要注意!

2020.11.30

新型コロナウイルス流行の影響で“おうち時間”が増えて、パソコンやスマートフォン、タブレットなどと向き合う時間や、テレビの視聴時間が増加した、という人は多いのではないでしょうか。
令和元年度の内閣府の調査によると、中学生のインターネット利用時間は1日当たり平均約176分。※1この結果からも私たちはたくさんの時間を、デジタル端末を見て過ごしていることがわかります。

長時間にわたりデジタル端末やテレビの画面を見つめ続けると、目に負担がかかって疲れてしまいます。さらに、乾燥している室内では、「ドライアイ」にも気をつけなくてはなりません。

通常のまばたきの回数は1分間に平均20回ほどですが、画面に熱中するゲームの時には回数が減り、平均5回程度になるといわれています。※2まばたきの回数が減ると、目の表面を覆う涙が蒸発して目が乾きやすくなります。涙には角膜を保護する役割があり、涙の量が減ってしまうと、目が傷つきやすくなります。このような状態を「ドライアイ」といいます。
ドライアイになると、目がゴロゴロして異物が入ったように感じることがあります。視界がぼやけて見えにくくなることもあり、症状が重い場合は治療が必要です。

乾燥する冬は特に注意が必要ですが、空調が効いた部屋では、1年中ドライアイの危険があります。予防には、まず目を使い過ぎないこと。画面を見ている間は意識的にまばたきの回数を増やすようにしましょう。また、空調が目に直接当たらないように注意し、加湿器で湿度を調整したり、人工涙液タイプの目薬を1日数回さしたりするのも効果的です。※3

スマートフォンなどのデジタル端末は楽しいおうち時間に欠かせないかもしれませんが、夢中になるのもほどほどに。たまにはデジタル端末から距離をおいて、大切な目をしっかり休ませましょう。

※1 内閣府「令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)」:

https://www8.cao.go.jp/youth/kankyou/internet_torikumi/tyousa/r01/net-jittai/pdf/sokuhou.pdf外部リンク

※2 佐藤直樹 あたらしい眼科 9:2103-2106, 1992

※3 日本眼科医会ホームページ「8.ドライアイにはどんな対策があるの」:

https://www.gankaikai.or.jp/health/42/外部リンク

監修:川田浩志(東海大学医学部教授)