「食べる順番」でお正月太りを解消

2020.12.25

2020年も、残すところわずかとなりました。

お正月は、おせち料理やお餅をはじめ、ごちそうを食べる機会が多いものです。ついつい食べ過ぎてしまい、毎年この時期に体重の増加が気になるという人は多いのではないでしょうか。
健康的に体重を元に戻すには運動量を増やすべきだとはわかっていても、寒い冬はなかなかやる気が起きませんよね。

そんなあなたに、耳寄りな情報があります。なんと食べる順番に気をつけるだけで、体重の増加を抑えられるというのです。
健康指導が必要な成人男女を対象としたある研究で、食事を始めてから5分間は食物繊維を含む食品(野菜・キノコ・コンニャクなど)や、たんぱく質や脂質を含む食品(魚・肉・卵料理など)のみを食べ、その後に主食(ご飯など炭水化物を含む食品)を食べるよう指導されたグループは、従来の健康指導のみを受けたグループで6ヵ月後に平均0.90kgの体重増加が認められたのに比べて、同じ期間で体重が平均0.53kg減少したことが報告されており※1、2つのグループ間では約1.4kgの差が認められました。

炭水化物より先に食物繊維を含む食品をとると、消化管から余分な糖の吸収が抑えられます。また、炭水化物の前にたんぱく質や脂質を含む食品をとると、食欲を抑えるGLP-1という消化管ホルモンの分泌が促され、食べ過ぎを防ぐことができるのです。※1

成長期の健康を維持するには、タンパク質、カルシウム、鉄、ビタミンなどの各栄養素を、主食・主菜・副菜を基本とした適正量の食事でバランスよくとることが大切です。農林水産省では、食生活をチェックすることができる教材※2や小学生・中学生向け食事バランスガイド活用事例集※3を紹介しています。「やせたいからサラダしか食べない!」「この時期はおもちだけで一食済ませる」なんていう人をときどき見かけますが、急に食事の量や品目を減らしてしまうと、栄養が偏るうえに満腹感も得られません。

まずは食べる順番を見直すことから始めて、いつも通りの食事を楽しみながら、無理のない体重管理を心がけましょう。

※1 Daisuke Yabe et al. Journal of Diabetes and its Complications
33(12):107450, 2019

※2 厚生労働省・農林水産省 「『食事バランスガイド』で実践 毎日の食生活チェックブック」:

https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/pdf/check_book.pdf外部リンク

※3 農林水産省 「食事バランスガイド」教材:

https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/b_sizai/kaisetusyo.html外部リンク

監修:川田浩志(東海大学医学部教授)