お風呂で疲労回復&ぐっすり快眠!

2021.03.31

日本は火山国としてたくさんの温泉に恵まれ、古くから温泉に親しんできたことから、日本人は温泉好き、お風呂好きといわれています。お風呂に入ってからだを洗うと、さっぱりして気持ちいいですよね。それ以外にもお風呂に入ると、からだにいいことがありそうです。

浴槽に肩までつかり、ゆっくりとからだを温めると、全身の疲れが取れてリラックスできます。これは温熱作用によるもので、筋肉や腱の緊張が和らぐことで肩こりなどが楽になります。また、血行が改善されることで老廃物や痛みを発する物質が洗い流され、細胞や組織の新陳代謝が活性化し、からだによい影響がもたらされることが知られています。※1
適切な入浴時間は、入浴温度によって異なりますが、体温が1.0℃程度上昇するのが適度な刺激になります。たとえば、41℃くらいであれば10~15 分程度で、額にうっすらと汗をかく程度が目安とされています。※1長湯は脱水や肌の乾燥を引き起こし、かえってからだに悪影響であるため注意が必要です。

さらに、入浴によって睡眠の質が向上することもわかっています。
アメリカのテキサス大学の研究グループが行った調査によると、就寝の1〜2時間前に40~42.5℃の浴槽につかるか、シャワーを浴びることにより、入眠までの時間が約10分間短くなることが明らかになりました。また、全体的な睡眠時間も長くなり、ベッドに入っていた時間のうち実際に眠っていた時間が占める割合(睡眠効率)も高かったという結果が得られました。※2ぐっすり安眠することができれば、疲労を翌日まで残さずに済み、授業や部活動に集中できますね。

「今日はちょっと疲れたな」という日は、お気に入りの入浴剤などを使って、リラックスしながらバスタイムを楽しんでみてはいかがでしょうか。

※1 前田眞治 環境と健康 25(1):20-27, 2012

※2 Sleep Medical Reviews 46:124-135, 2019

監修:川田浩志(東海大学医学部教授)