マスクで風邪やインフルエンザは防げるの?

2020.02.28

風邪やインフルエンザのシーズン真っ盛り。感染予防のために外出時にマスクをしている人も多いですが、マスクだけでは感染を防ぎきれないようです。あわせて習慣にしたいのが手洗いと手指の消毒。大学生1,437人を「マスクをする」「マスクをして手指の消毒もする」「どちらもしない」の3つのグループに分けて6週間様子をみた研究報告によると、マスクのみではインフルエンザの発症を予防する効果は認められませんでした。マスクをして手指の消毒をすれば予防効果あり、という結果に。※1

ウイルスは、感染者の咳やくしゃみなどで飛び散ったウイルス入りのしぶきを吸い込んで感染するほか、ウイルスがついたものを触った手で口もとや鼻のまわりを触ってしまうことでも感染します。だから外出時はよく手を洗って手指を消毒することや、なるべく口や鼻のまわりを手指で触れないようにすることが大切なのです。

では、感染予防のためにマスクの着用とセットですすめられることがあるうがいは?首相官邸ホームページ「インフルエンザ(季節性)対策」※2では「うがいは、一般的な風邪などを予防する効果があるといわれていますが、インフルエンザを予防する効果については科学的に証明されていません」とあります。とはいえ、うがいをすると喉の粘膜がうるおい、防御機能が高まる効果が期待できますので、帰宅後のうがいもまったく意味がないわけではありません。

風邪やインフルエンザにかかってしまったら、からだを休めるためと、ほかの人にうつさないために、外出は極力避けて安静に過ごしたいところです。それから外出時に心がけたいのが「咳エチケット」。とっさに出てしまう咳やくしゃみは、口や鼻を素手で覆って受けるのではなく、なるべくティッシュやハンカチで受けるようにしましょう。

※1 Allison E. Aiello et al. J Infect Dis 201(4):491-8, 2010

※2 首相官邸ホームページ「インフルエンザ(季節性)対策」:
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/influenza.html外部リンク

監修:川田浩志(東海大学医学部教授)