印刷(PDF/190KB)はこちらから 2023年06月23日 研究開発

他家iPS細胞由来網膜⾊素上⽪細胞のフェーズ1/2試験の開始について

住友ファーマ株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)は、株式会社ヘリオス(本社:東京都千代田区、代表執行役社長:鍵本 忠尚、以下「ヘリオス」)と日本国内で共同開発を進めている他家iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)細胞(開発コード:HLCR011)に関し、本年5月24日に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出した網膜色素上皮裂孔の患者を対象とするフェーズ1/2試験(以下「本臨床試験」)の治験計画届出書について、このたび、PMDAによる30日調査が完了し、本臨床試験を開始する準備が整いましたので、お知らせします。

本臨床試験は多施設共同、非遮蔽、ランダム化試験であり、当社は治験実施医療機関の選定を順次進めています。治験実施医療機関との契約締結等の準備が整い次第、被験者の登録を開始します。

当社の強みである再生・細胞医薬分野の技術・ノウハウを一日も早く患者さんにお届けするために、本分野での事業化を進めるともに、本臨床試験ではヘリオスと共同で網膜色素上皮裂孔を有する患者さんに対するHLCR011の安全性・有効性について早期に確認することを目指します。

【本臨床試験の概要】

被験製品 HLCR011:iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)細胞懸濁液
開発段階 フェーズ1/2
対象 網膜色素上皮裂孔を有する患者
治験デザイン(目標症例数) Part 1:非遮蔽、非対照 (HLAミスマッチ被験者1名)
Part 2:非遮蔽、ランダム化(投与群、観察群 各群10名、計20名)
主要評価項目 網膜色素上皮裂孔患者にHLCR011を網膜下投与したときの安全性(有害事象の発現者数および割合)
副次評価項目(有効性) 視機能評価

ご参考

網膜色素上皮裂孔

加齢黄斑変性等に起因し、網膜色素上皮(RPE)細胞層が断裂、収縮し部分的に欠損する病態です。視野の欠損や、視力低下を引き起こしますが、現在、本病態に対する治療法は確立されていません。RPE細胞が欠損しているが視細胞の機能が保たれている場合、RPE細胞移植による視機能の維持・回復が期待できます。

網膜色素上皮(RPE)細胞

神経網膜層の外側にある網膜色素上皮(Retinal Pigment Epithelium)を形成する細胞のこと。光の受容体である視細胞に接し、その機能維持・保護のための生理的機能を有します。RPEは単層の構造を取っており、通常、欠損すると再生せず視機能が永続的に障害されることになるため、加齢黄斑変性等で正常な機能を失ったり、消失したりしたRPE細胞の補充などを目的とした再生医療の研究で注目されています。

iPS細胞(人工多能性幹細胞)

体細胞を遺伝子導入・タンパク質導入・薬剤処理等により人為的に初期化して得られる細胞または当該細胞の分裂により生ずる細胞であって、内胚葉、中胚葉および外胚葉の細胞に分化する性質を有し、かつ、自己複製能力を維持しているもの。本臨床試験では、京都大学iPS研究財団が提供しているiPS細胞ストック(QHJIドナー由来)から分化誘導したRPE細胞を使用します。

以上

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