住友ファーマが目指すDX

データドリブンな意思決定プロセスを実装し、すべてのバリューチェーンで継続的な業務変革と価値創造に取り組む

自律推進するデータドリブン組織
デジタル・データ活用が 当たり前の世界へ

内製テクノロジーの最適活用

本社組織がグループDXをオーケストレーション

先進的技術と手法の導入

当社グループはDXを加速する基盤として、ヘルスケアテクノロジー領域における技術、データ活用の知見、そしてそれらを担う人材を獲得・育成してきました。そこから育った技術者と内製ケイパビリティは、日本および米国の両拠点において確固たる開発体制として定着し、継続的な活動を行っています。
これらの体制と技術、人材を駆使し、売り上げや研究・開発のマイルストンなどに連動した定量目標を設定することなどを通じて、創薬の確度の向上と開発期間の短縮を実現させ、これまで以上に安心安全な医薬品を安定的に製造し、より幅広く医療関係者そして患者さんとそのご家族に価値をお届けするとともに、革新的な医薬品と医療ソリューションを創造していきます。 人々の健康で豊かな生活に貢献できるよう、ビジネス価値の創出・向上にフォーカスしてDXを加速させ、持続的成長の実現に向け「データ駆動型の製薬企業への転換」と「新たな価値創造とオペレーション改革」を進めていきます。

内製テクノロジーの最適活用

住友ファーマでは、日本および米国に拠点を置く内製部隊がグループのDXを牽引し、海外子会社を含む当社グループ全体において、新薬研究開発の効率化と新たな価値創造に取り組んでいます。これらの内製部隊は、医薬品創出の難易度が高い精神神経領域およびがん領域を中心に、AIやビッグデータを活用した研究開発を推進しています。

創薬における内製テクノロジーの最適活用

インシリコ創薬技術を用いた研究開発

インシリコ創薬とは、計算科学によりコンピューターの中で薬を創ることで、当社ではファーストインクラス創薬の核心となる研究に注力して取り組んでいます。具体的には、社内外における多種かつ大量の化学・生物・医療データを統合的に解析するインフォマティクス技術を用いて特定の疾患に効果的な薬剤標的あるいはメカニズムを探索する研究や、分子シミュレーションを駆使した標的蛋白質に対する薬物候補分子を創出する研究を中心に取り組んでいます。従来の仮説検証型の創薬研究から、データをありのままに取り扱うデータ駆動型の創薬研究への転換を積極的に推進しています。

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精神神経領域での研究開発

精神神経疾患は未だに病態の理解が進んでおらず、医薬品創出が難しい領域とされています。当社では、患者さんのさまざまな情報を取得した上で、インシリコ創薬技術によるコンピューターを用いたデータ駆動型の創薬研究開発に取り組んでいます。具体的にはゲノム情報や脳検査値などのビッグデータに基づく、適切な標的分子などの創薬シードの探索や、臨床・非臨床双方に活用できるバイオマーカーの特定により、研究開発の成功確度の向上を図っています。加えて、人工知能(AI)を用いた化合物の体内動態・安全性予測システムを自社で確立し、シミュレーションによる薬理活性予測とも組み合わせることで、有望化合物を効率的に創出しています。
また、外部提携も積極的に進めており、一例として、AI技術を活用して創製した、複数の医薬品候補化合物の臨床試験を開始しています。

がん領域での研究開発

がんは、発症メカニズムや原因となる生体分子についてよく研究されているにも関わらず、アンメット・メディカル・ニーズが高い疾患です。この基礎と臨床のギャップを橋渡しするためには、基礎研究で得られたデータと患者さんのデータを活用し、真に治療効果が高い標的分子や治療薬が有効な患者さんを特定するバイオマーカーを見いだすことが重要です。そのような観点からがん領域でも精神神経領域と同様、データ駆動型創薬に取り組んでいます。
自然言語処理技術を活用した文献・データベース情報の網羅的な解析およびトレンド予測により、薬剤候補物質や標的タンパク質候補の探索を進めています。得られた知見を基にこれまでに複数の新規創薬プロジェクトを開始しています。
また、上記に加えて研究開発活動の生産性向上を目指したデジタル技術の活用にも積極的に取り組んでいます。

再生・細胞医薬事業での研究開発

京都大学医学部附属病院にて医師主導治験が進められている他家iPS細胞由来の細胞について、京都大学iPS細胞研究所と連携して実用化に取り組んでいます。iPS細胞から分化誘導して作製した再生医療等製品では、機器分析が可能な医薬品とは異なり生きた細胞の特性把握が最重要課題です。従って、個々の細胞の性質のばらつきを適切に捉え、品質と結びつけるテクノロジーが必要です。当社は、同研究所との共同研究の中で、細胞一つひとつの遺伝子発現をデジタル技術により製造ロットごとに分析し、品質が安定していることを統計学的な指標で確認し、繰り返し製造の妥当性を示しました(Doi,D.et al. Nature Communications 11;3369(2020))。この研究成果を活用し、現在、医師主導治験において当社の再生・細胞医薬製造プラント「SMaRT」で製造された細胞が移植されています。

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本社組織がグループDXをオーケストレーション

DXを当社の企業文化に高め、グループ全体での創出価値を飛躍的に増大させる取組を行います。

デジタルによる創出価値の飛躍的な増大

核となる人材の育成強化(国内)と日米連携により、DXを当社の企業文化に高める

国内では、DXを当社の企業文化に高めるために核となる内部人材の育成を強化します。技術面では「シチズン・データサイエンティスト」と「シチズン・デベロッパー」の異なる2つのタイプの人材育成を行います。前者は基礎的な統計・機械学習モデルを用いて業務データを分析し、部門の課題解決や意思決定に貢献できる人材であり、後者は自身や部門の業務を効率化するツールを自ら開発できるスキルを有する人材へ育成します。
組織文化面では「スクラムマスター」を育成し、アジャイルマインドの浸透を促進させ、チームの活性化により挑戦欲を向上させる役割を担います。
これら人材の育成を引き続き推進するとともに、業務効率化にとどまらず、新たな価値創造の起点となる人材を各部門に広げていくことを重視します。国内における核となるDX人材の育成強化と、日米連携による知見・ノウハウの循環を通じて、DXを当社の企業文化として一層定着・深化させていきます。

シチズン・データサイエンティスト

シチズン・デベロッパー

スクラムマスター

日米で大小合わせて150件/年以上のDXプロジェクトを実施

住友ファーマ単体従業員の約1割が業務効率化、価値創出の起点となるDX中核人材に

住友ファーマのDXを支える人材

シチズン・データサイエンティスト

シチズン・データサイエンティストとは、データサイエンティストに求められる3つのスキル「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング」を習得し、可視化や統計手法を活用しながら、データ駆動型の高品質で迅速な意思決定を全てのバリューチェーンで実装するためのキーパーソンと位置づけています。

シチズン・デベロッパー

シチズン・デベロッパーとは、ノーコード、ローコードツールを中心に、業務の自動化や高度化を実現するスキルを習得し、全ての現場でオペレーショナルエクセレンスを高めデジタル変革を促進させる人材と位置づけています。
2021年度に立ち上げた社内のデベロッパーコミュニティには、2023年5月現在、200名が参画しており、このコミュニティを通じて、職場での生産性を向上させるアプリを実装できる人材を2027年度までに150名輩出することを目指しています。

スクラムマスター

スクラムマスターとは、ファシリテーション・コーチングスキルを有し、アジャイルマインドの浸透を促進する人材と位置づけています。高度な専門性を持つ多様な人員が健全に衝突し学びあえるチームを作り上げ、生産性高く自律して活動させる役割を担います。

DXに適したシステム開発

高度な社外技術の活用

最先端の要素技術を有する社外パートナーと連携してアプリ開発を行い、エコシステムを追究しています。画像解析AIやHR Tech(Human Resources Technologyの略)の一つであるタレントマネジメントなど、さまざまな領域での取り組みを実施しており、既にいくつかの領域では実業務で利用され、これまでにない価値が提供され始めています。

●HR Techの活用事例はこちらをご覧ください。 取材記事 日経BP HumanCapital ONLINE 2021.07.07 タレントマネジメントで成果創出要因を分析―住友ファーマ https://project.nikkeibp.co.jp/HumanCapital/atcl/column/00014/070200016/

オフィスワークへのアジャイル適用

ビジネス環境変化への柔軟性・機敏性を向上させるため、アジャイルを推進するバーチャルチームを結成し、アジャイルな業務スタイルの導入を推進しています。
システム開発に限らないすべてのオフィスワークを対象とし、それぞれの現場にあわせて、スクラムやカンバンなどのアジャイル手法をカスタマイズし段階的に導入しています。
顧客の価値にフォーカスし、素早く改善を繰り返すアジャイルな業務スタイルが、自律・自立したチームを育て、行動変容を生み出しはじめています。

先進的技術と手法の導入

AIやデータ活用を含む先進技術と新たな手法を、内製体制の強みであるスピーディな試行・実装・改善を通じて現場へ展開し、業務高度化とDXによる価値創造を継続的に推進します。

2つの重点疾患領域とその他領域の取組

当社グループは、「グローバル・スペシャライズド・プレーヤー」を2033年の目指す姿として掲げています。アンメット・メディカル・ニーズが高い精神神経領域およびがん領域を重点疾患領域とし、これまで紡ぎあげてきた当社グループの経験と知識を最大限生かせるこれらの領域において、引き続き、医薬品、再生・細胞医薬の研究開発に積極的に取り組みます。また、その他領域においても保有アセットを生かし、確かな価値を患者さんに届けるべく、着実な研究開発を推進します。 創薬研究においては、トランスレーショナル研究、バイオマーカー研究およびモダリティ技術において独自性の高い創薬基盤を更に強化するとともに、データ駆動型創薬を推進し、病態の本質を捉えた開発候補品目を継続的に創出することを目指します。

●重点疾患領域
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/rd/areas_system/research_focus_areas.html

住友ファーマは、自ら成長しようとする人を支援します。

人々の健康で豊かな生活に貢献すべく、デジタルによる創出価値の 飛躍的な増大を目指し、核となる国内人材の育成強化と日米連携により、DXを当社の企業文化に高めるためさまざまな取組を実装しています。 多様な人材がそれぞれに強みを持ち、誰もが高い目標に 挑戦し、個々の能力を最大限に発揮する姿を目指します。
住友ファーマでは、社員一人ひとりが自主的に能力開発に取り組むことができる環境の整備に力を入れています。

●人材育成プログラム
https://www.recruit.sumitomo-pharma.co.jp/gradu/effort/training/