Priority Disease Areas 重点疾患領域

精神神経領域およびがん領域を重点疾患領域とし、医薬品、再生・細胞医薬、非医薬等による多様なアプローチで人々の健康で豊かな生活に貢献していきます。

2つの重点疾患領域とその他領域の取組

当社グループは、「グローバル・スペシャライズド・プレーヤー」を2033年の目指す姿として掲げています。アンメット・メディカル・ニーズが高い精神神経領域およびがん領域を重点疾患領域とし、これまで紡ぎあげてきた当社グループの経験と知識を最大限生かせるこれらの領域において、引き続き、医薬品、再生・細胞医薬、非医薬等の研究開発に積極的に取り組みます。また、その他領域においても保有アセットを生かし、確かな価値を患者さんに届けるべく、着実な研究開発を推進します。
創薬研究においては、トランスレーショナル研究、バイオマーカー研究およびモダリティ技術において独自性の高い創薬基盤を更に強化するとともに、データ駆動型創薬を推進し、病態の本質を捉えた開発候補品目を継続的に創出することを目指します。

2つの重点疾患領域とその他領域の取組 2つの重点疾患領域とその他領域の取組

精神神経領域

先端技術を取り入れながら築いた自社独自の創薬技術プラットフォームを基盤に、競争力のある創薬研究を推進しています。精神疾患領域(統合失調症、うつ、神経疾患周辺症状など)においては、神経回路病態に基づく創薬によりアンメット・メディカル・ニーズを満たす画期性のある治療薬の創出を目指し、神経疾患領域(認知症、パーキンソン病、希少疾患など)においては、分子病態メカニズムに基づく創薬により神経変性疾患の根治療法薬等の創出を目指しています。また、製品や開発品の臨床データから得られた知見をトランスレーショナル研究に活用し、ゲノム情報、脳波、イメージング画像などのビッグデータから適切な創薬ターゲットやバイオマーカーを選定することで、研究開発の成功確度の向上を図っています。また、原則としてテーマを発案した研究者がリーダーとして初期臨床開発段階までプロジェクトを進める新しい研究プロジェクト制を2017年度から導入しています。
開発段階では、日米が一体となったグローバル臨床開発体制のもと、戦略的な開発計画を策定し、効率的に臨床開発を推進して、早期の承認取得を目指しています。

他家iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞については、パーキンソン病を適応症とした日本での承認申請に向けた対応および2023年度中の米国での治験開始に向けた対応を着実に進めています。また、他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞について、網膜色素上皮裂孔を対象として、2023年度に開始した国内企業治験で、早期に治療効果を見極めるべくプログラムを推進します。

社交不安障害を対象として開発中のVRコンテンツ(開発コード:BVR-100)については、米国での臨床試験開始に向けた対応を提携先とともに進めます。また、うつを対象とした簡易型脳波計として開発中のウェアラブル脳波計については、日本での医療機器認証取得に向けた対応を着実に推進します。

がん領域

これまでの研究開発活動を通じて、さまざまな知見を得るとともに、創薬力を強化し、特長を有する複数の開発パイプラインを創出してきました。これらを生かし、引き続きアンメット・メディカル・ニーズの高いがん領域の研究開発に注力しています。

創薬においては、自社が有する新規技術を用いたモダリティ展開やアカデミアとの共同研究などの取組を通じて競争力を高め、革新的な新薬の創出を目指しています。

開発段階では、初期臨床評価中の複数の開発パイプラインについて、短期・小規模の試験でデータを慎重に評価することなどにより、最適な対象がん種および製品価値を見極め、成功確度の向上を目指しています。特にTP-3654およびDSP-5336に資源を集中し、早期の承認取得を目指しています。

その他領域

保有アセットを生かし、確かな価値を患者さんに届けます。以下の取組を推進しています。

・過活動膀胱治療剤「ジェムテサ」について、米国での前立腺肥大に伴う過活動膀胱に対する適応追加申請ならびに欧州、中国および台湾での過活動膀胱を適応症とした承認申請に向けた対応を推進しています。

・グローバルヘルスやパンデミックへの備えに貢献するため、薬剤耐性菌感染症治療薬、マラリアワクチンおよびユニバーサルインフルエンザワクチンの研究開発に取り組んでいます。