vol.11 パートナーシップって何だろう? 【目標17】
みんな、本当にお疲れ様! 当日までに間に合うかヒヤヒヤしたけど、何とかなったね。
すごく良かったってみんな褒めてくれたよ!画像や音声の編集を手伝ってくれたCさんもとっても喜んでくれてたよね。
撮影のための交通費とか小道具を買うのにお小遣いを増やしてもらったから、親にもちゃんと報告しなきゃ。
撮影に協力してくれた図書館にも今度お礼に行こうね。
無事に作品が完成したのは、たくさんの人に協力してもらったおかげだよね。僕たちだけじゃ絶対に無理だったな。
SDGsの目標17に掲げている「パートナーシップ」ってこういうことなんだね。そんなの無理でしょって思うような高い目標でも、みんなで協力すれば達成できるんだ。
SDGsでも技術、資金、ノウハウの協力は不可欠だよね。
国家間のパートナーシップには、直接途上国に対して支援を行う「二国間援助」と、国連機関や国際銀行のような国際機関へ資金協力する「多国間援助」の2つがあって、それらをまとめて「ODA(政府開発援助)」と言うんだよ。日本ではコロナ禍でみんな当たり前のようにワクチンを打っていたけど、貧しくてワクチンが買えない国もたくさんあったよね。2021年には先進国から途上国へ膨大な量のワクチンが提供されて、各国からのODAの総額は過去最高に達したんだ。※1 2022年はウクライナ支援でさらにODAが増えたんだよ。※2
困っている国をみんなで支援しているんだね。全ての国がODAを行っているのかな?
ODAの中心となっている国は、世界のさまざまな問題に関して話し合う「経済協力開発機構(OECD)」の一部のメンバーだよ。OECDは現在、ヨーロッパ、アメリカ、日本など38カ国で構成されているんだけど、ODAを行う「開発援助委員会(DAC)」に属しているのは、31の国と欧州連合(EU)を合わせた32のメンバーだ。※3 その中で日本のODAは4番目に多いんだけど、国民一人当たりの援助額に換算すると16番目なんだよ。※4
ODAって具体的にどんなことをしているんだろう?お金の援助だけではないんだよね?
ちょっと調べてみたけど、日本では、たとえば国土交通省は交通インフラの整備を支援したり、厚生労働省は水道設備を整備するための資金提供や研修員を受け入れたりしているみたい。
そうだね。お金をあげたり貸したりする支援もしているけど、技術協力もしているよ。
ODAを行っていない国は、他の国に支援をすることはないのかな?
そんなことはないよ。途上国が他の途上国を支援することもあるんだ。「南南協力」と言って、ある分野において開発が進んでいる途上国が、別の途上国にその知識や技術を提供するんだ。
得意なことを教え合うって、なんかいいよね。
南南協力で必要な技術や資金や運営方法を、先進国や国際機関がサポートすることもある。それを「三角協力」と言うんだよ。
でも、途上国って自分の国を支えるだけでも精一杯なのに、他の国を支援する余裕なんてあるのかな? 先進国みたいに余裕がある国が全部やってあげればいい気がするけど。
そうだね。でも今世界が抱えている課題はとても多様で複雑なんだ。先進国や国際機関の力だけではどうにもできないことがたくさんある。でも隣り合った途上国同士なら、言葉や文化や気候条件が似ていることもあって、協力や指導がしやすいことも多い。
なるほど! ご近所さんだからこそ分かり合えるし、支援につながることもあるんだね。
ODAのように国同士の公的なパートナーシップだけでなく、民間とのパートナーシップも大切だよ。途上国が発展してSDGsの目標を達成するには、たくさんの支援が必要だから、民間の力も必要なんだ。民間企業が途上国の発展のためにお金を出したり、新しい技術を使ったビジネスを途上国で始めたりすることも支援になるね。
そっか、助け合うのは国と国の関係だけじゃないんだね。支援の方法もいろいろなんだなぁ。
一方で、途上国はいろんなところから支援としてお金を借りているけど、なかなか経済が良くならなくて借金があまりにも増えてしまい、返せなくなっている国もあるんだ。借金は経済成長を妨げてしまうから、お金を貸した先進国は借金を帳消しにしたり、返す期限を延ばしたりしているけど、開発のためのお金がこのような問題になっていることも知っておいてほしい。
※1 OECD「開発途上国に対する新型コロナウイルス関連支援により、2021年の海外援助が増加」https://www.oecd.org/tokyo/newsroom/covid-19-assistance-to-developing-countries-lifts-foreign-aid-in-2021-oecd-japanese-version.htm
※2 OECD「Foreign aid surges due to spending on refugees and aid for Ukraine」
https://www.oecd.org/newsroom/foreign-aid-surges-due-to-spending-on-refugees-and-aid-for-ukraine.htm
※3 外務省「ODA OECD開発援助委員会(DAC)」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/doukou/dac/dac_gaiyo.html
※4 外務省「2021年版 開発協力白書 日本の国際協力」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/100353373.pdf
そういえば、日本も東日本大震災の時には世界中からたくさんの支援を受けたって聞いたよ。
うん。東日本大震災の後、1年間で174の国と地域が支援してくれたんだ。そのうち119カ国は、普段日本がODAで支援している国で、35カ国は国連で定義された最貧国と呼ばれるアジア・アフリカ地域の途上国だったんだ。※1
そんな途上国の国々も支援してくれたんだね。ありがたいな。
日本は第二次世界大戦からの復興の際も、アメリカや世界銀行などからたくさんの支援や融資を受けてきたんだよ。実は日本がODAを始めたのは1954年で、ようやく戦後復興が終わろうとしていた頃だった。きっかけは南アジアや東南アジアの経済開発支援を目的にした国際機関「コロンボプラン」に加盟したこと。当初、日本のODAは支援というより戦後賠償の意味合いが大きくて、さらなる発展のためにアジア地域と経済的な結び付きを強めたいという政府の意図もあったんだ。その後、日本は高度経済成長期を迎えて、1964年にOECDに加盟して先進国の仲間入りを果たした。ODAの対象もアジア地域に限らず世界各国に広がって、今に至るんだね。
途上国が豊かになれば、先進国としては市場が広がるっていうメリットもあるもんね。支援は相手国のためだけじゃなくて、自分たちのためでもあるんだ。
支援によって、途上国での行き過ぎた森林破壊や大気汚染なんかも抑えることができるかもしれない。それは気候変動を食い止めることに繋がるよ。
相手のためにしたことが、巡り巡って自分たちに返ってくる、「情けは人のためならず」だね。
日本では、政府がコロンボプランへの参加を決定した10月6日を、「国際協力の日」に定めているんだよ。各地でいろんなイベントが開かれて、国際協力への理解と参加を呼び掛けているから、行ってみても面白いかもしれない。
いいね! みんなで行ってみよう!
- ●UNICEF(国連児童基金)
- ●UNCHR(国連難民高等弁務官事務所)
- ●WHO(世界保健機関)
- ●UNESCO(国連教育科学文化機関)
- ●WFP(国連世界食糧計画)
他にもどんな機関があるか調べてみよう!
https://www.idcj.jp/wp-content/uploads/2020/09/IDJ_No187_201404.pdf
政府や外務省などの省庁が立てたODAの計画を、実際に現場で動かしている組織を知っているかな?
JICA(独立行政法人国際協力機構)だよね? 途上国で井戸を掘っている写真を見たことあるよ。
正解!JICAは途上国を中心に約100ヵ所の拠点を持って、日本から技術者や専門家、ボランティアを派遣したり、途上国の研修員を日本に受け入れたりして、途上国の開発支援をしているんだよ。日本国内の企業や大学、銀行や自治体などさまざまな機関と連携して、現地の人たちと一緒に課題解決のためのプロジェクトを動かしていくんだ。日本企業にとっても、自分たちの商品や技術を海外に展開していく足掛かりになっているんだよ。
途上国を支援するには、日本国内でのパートナーシップも欠かせないんだね。
そうだね。それに、支援といっても、日本の人が全部やってあげるんじゃなくて、現地の人と一緒に活動するんだね。
そう、途上国の人たちが自力で発展していけるような支援が大切なんだ。日本人が何でもやってあげるのではなく、一緒に活動して途上国の人に学んでもらえば、途上国の人たちが学んだことを活かして、自分たちで成長していけるよね。そして、それが逆に日本のこれからの発展の仕方や方向性を考え直すきっかけを与えてくれることもあると思うよ。
JICAの「ODA見える化サイト」 で気になる事例をチェックしてみよう!
- その国や地域はどんな課題を抱えているのかな?
- 課題に対して、どんな支援をしているのかな?
- 記事や写真を見て、どんなことを感じたかな?
日本国内の社会課題を解決するのにも、企業・教育機関・公的機関の垣根を越えたパートナーシップが組まれていることもあるんだよ。SDGsを達成するためには変革が必要なんだ。変革を起こすためにはこれまでとは違う人たちが組んで、新たなイノベーションを起こしていくことが大事なんだ。
自治体と企業が協力して地域活性化に取り組むところが増えているって新聞記事を前に読んだことがある。
地域活性化といえば、「地方創生SDGs」という取組があるよ。持続可能なまちづくりを進めて地域を元気にするためには、企業の力も合わせて一緒に取り組まないといけない課題がたくさんあるから、国が「官民連携プラットフォーム」という行政と企業のマッチングの場をつくっているんだ。
自治体だけでできないことも、企業と一緒に取り組めば解決するかもしれないんだね。
それに、実は企業も自社の利益だけを追求していればいい時代ではなくなってきているんだよ。「投資」って分かるかな?
将来的に成長が見込める会社に対して、利益の分配を期待してお金を出すことだよね。
うん。以前は、その会社が儲かっている、あるいはこれから儲かりそうというのが投資先を選ぶ主な基準になっていたんだけど、最近は少し変わってきているんだ。
「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス=企業統治)」の頭文字を取って、「ESG投資」と言ったり、あるいはサステナブル投資やインパクト投資というような言い方をすることもあるんだ。「環境保護に配慮している」「地域社会に貢献している」「安心して働ける労働環境を整えている」「法令を守って事業活動をしている」のような観点で投資先の会社を選ぶ人が増えているんだ。どんな取組をしているのか、Webサイトで公開している企業も多いんだよ。
テレビCMで自社の取組を発信している企業もあって、見ると応援したくなるよね。
似たような商品やサービスでどちらにするか迷ったら、そういうところで決めるのもアリだよね。
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実施手段を強化し、「持続可能な開発のための
グローバル・パートナーシップ」を活性化する
■ ターゲット
- 17.1
- 税金・その他の歳入を徴収する国内の能力を向上させるため、開発途上国への国際支援などを通じて、国内の資金調達を強化する。
- 17.2
- 開発途上国に対する政府開発援助(ODA)をGNI※比0.7%、後発開発途上国に対するODAをGNI比0.15~0.20%にするという目標を達成するとした多くの先進国による公約を含め、先進国はODAに関する公約を完全に実施する。ODA供与国は、少なくともGNI比0.20%のODAを後発開発途上国に供与するという目標の設定を検討するよう奨励される。
- 17.3
- 開発途上国のための追加的な資金を複数の財源から調達する。
- 17.4
- 必要に応じて、負債による資金調達、債務救済、債務再編などの促進を目的とした協調的な政策を通じ、開発途上国の長期的な債務の持続可能性の実現を支援し、債務リスクを軽減するために重債務貧困国(HIPC)の対外債務に対処する。
- 17.5
- 後発開発途上国のための投資促進枠組みを導入・実施する。
- 17.6
- 科学技術イノベーション(STI)に関する南北協力や南南協力、地域的・国際的な三角協力、および科学技術イノベーションへのアクセスを強化する。国連レベルをはじめとする既存のメカニズム間の調整を改善することや、全世界的な技術促進メカニズムなどを通じて、相互に合意した条件で知識の共有を進める。
- 17.7
- 譲許的・特恵的条件を含め、相互に合意した有利な条件のもとで、開発途上国に対し、環境に配慮した技術の開発、移転、普及、拡散を促進する。
- 17.8
- 2017年までに、後発開発途上国のための技術バンクや科学技術イノベーション能力構築メカニズムの本格的な運用を開始し、実現技術、特に情報通信技術(ICT)の活用を強化する。
- 17.9
- 「持続可能な開発目標(SDGs)」をすべて実施するための国家計画を支援するために、南北協力、南南協力、三角協力などを通じて、開発途上国における効果的で対象を絞った能力構築の実施に対する国際的な支援を強化する。
- 17.10
- ドーハ・ラウンド(ドーハ開発アジェンダ=DDA)の交渉結果などを通じ、世界貿易機関(WTO)のもと、普遍的でルールにもとづいた、オープンで差別的でない、公平な多角的貿易体制を推進する。
- 17.11
- 2020年までに世界の輸出に占める後発開発途上国のシェアを倍にすることを特に視野に入れて、開発途上国の輸出を大幅に増やす。
- 17.12
- 世界貿易機関(WTO)の決定に矛盾しない形で、後発開発途上国からの輸入に対する特恵的な原産地規則が、透明・簡略的で、市場アクセスの円滑化に寄与するものであると保障することなどにより、すべての後発開発途上国に対し、永続的な無税・無枠の市場アクセスをタイムリーに導入する。
- 17.13
- 政策協調や首尾一貫した政策などを通じて、世界的なマクロ経済の安定性を高める。
- 17.14
- 持続可能な開発のための政策の一貫性を強める。
- 17.15
- 貧困解消と持続可能な開発のための政策を確立・実施するために、各国が政策を決定する余地と各国のリーダーシップを尊重する。
- 17.16
- すべての国々、特に開発途上国において「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成を支援するために、知識、専門的知見、技術、資金源を動員・共有するマルチステークホルダー・パートナーシップによって補完される、「持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップ」を強化する 。
- 17.17
- さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略にもとづき、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励し、推進する。
- 17.18
- 2020年までに、所得、ジェンダー、年齢、人種、民族、在留資格、障害、地理的位置、各国事情に関連するその他の特性によって細分類された、質が高くタイムリーで信頼性のあるデータを大幅に入手しやすくするために、後発開発途上国や小島嶼開発途上国を含む開発途上国に対する能力構築の支援を強化する。
- 17.19
- 2030年までに、持続可能な開発の進捗状況を測る、GDPを補完する尺度の開発に向けた既存の取り組みをさらに強化し、開発途上国における統計に関する能力構築を支援する。
※GNI:Gross National Incomeの頭文字を取ったもので、居住者が1年間に国内外から受け取った所得の合計のこと。国民総所得。
パートナーシップって、応援の気持ちから始まるんだね。
自分の周りや街中で困っている人を見かけたら、何かできることがないか考えて行動することも、小さなパートナーシップって言えるんじゃないかな。
今ってクラウドファンディングをする人や団体も増えているよね。応援したい取組があったら、お小遣いの中で参加してみるのもいいかも。
支援団体に寄付をしたり、ボランティアに参加したりすることも応援になるね。
一人で応援するのもいいけど、みんなで力を合わせることもパートナーシップだよね。たとえばマイボトルを持ち歩くことって、それ自体は小さなアクションだけど、みんなでやればものすごい量のゴミを減らせるよ。そうすれば、SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」が達成できて、大きな問題の解決にも近づけそう。
学校や社会のことで疑問に感じたことがあったら、周りの人と話してみるのもいいんじゃないかな。一緒に行動してみたら、変えていくことができるかもしれないよ。
一人じゃできなくても、仲間を増やして協力すればできることって、きっといっぱいあるよね!
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「U-dawn」は、香川大学の学生を中心とするメンバーが、カンボジア等の開発途上国への支援を目的として、2021年に発足した国際協力NGOです。学生である自分たちにどんな支援ができるのか、他の国際支援団体や、開発途上国で小児科の医療支援を行っている医学部の先生から話を聞く中で分かってきたのは、カンボジアは新生児に対する医療体制が整っていないという事実でした。出生数1,000人当たりの新生児死亡率は、2019年の時点で日本の14倍※。医療者が新生児蘇生の訓練を受ける機会や医療機器の不足が課題になっていました。
そこで、40万円を目標金額にクラウドファンディングを実施。その結果、1カ月半で80万円の支援が集まり、新生児蘇生の訓練用人形2体と、訓練に必要なその他の器具を購入して、カンボジアの病院で活動する現地のNGOに送ることができました。しかし現地の病院では、過去に寄贈された医療機器が使われずに眠っていることも多いということも知りました。「送って終わりではなく、実際に使ってもらうための継続的な支援が必要」と、代表の地藤湧騎さん。現地のNGOと密に連絡を取り、講習会開催にも携わっています。
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また、カンボジアの学校には十分な数のトイレがないことを知り、トイレ設置のプロジェクトもスタート。クラウドファンディングで100万円の支援を得て、建設などを得意とする現地のNGOと連携して小学校へのトイレの設置を進めています。「支援を受ける側、仲介してくれる現地のNGO、そして私たち、それぞれ文化や考え方に違いがあり難しさを感じることもありますが、コミュニケーションを取りながらより良い道筋を探っていきたいと思っています」。
活動が3年目に入り、新しいメンバーも加わっているU-dawn。「メンバーのモチベーションをどう維持していくかも今後の課題です。新しい支援にも取り組みたいですし、メンバー同士が交流する機会を増やすなど、純粋な“楽しさ”も大事にしていきたいですね」。カンボジアの幼い命を救うため、これからも関わる全ての人とのパートナーシップを大切にしながら活動を続けていきます。
※日本ユニセフ協会『世界子供白書2021』
https://www.unicef.or.jp/sowc/pdf/UNICEF_SOWC_ 2021_table2.pdf
香川国際協力NGO U-dawn
https://u-dawn.com/
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近年、抗菌薬(抗生物質)の不適切な使用を背景として、細菌に対して薬が効かなくなる薬剤耐性(AMR:Antimicrobial Resistance)の問題は国際的に取り組むべき社会課題として認識されています。住友ファーマは、新しいAMR菌感染症治療薬の創製を目指して、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した北里大学の大村智特別栄誉教授の創薬グループと、2017年から共同研究を行っています。
また、ベトナムにおけるAMR対策と抗菌薬の適正使用に貢献するため、2019年より、ベトナム政府保健省と連携して、日本の国立国際医療研究センターと共同で、ベトナムの主要な病院施設10数軒とともに薬剤感受性サーベイランス※研究を実施しています。この研究は、各病院施設が感染症の治療に最適な抗菌薬を選択する能力を高める支援として、各病院施設に対して治療に影響するAMRの詳細なデータの収集と結果報告を行ったり、適切な抗菌薬を処方するノウハウを指導したりするものです。
2019〜2020年に第1回薬剤感受性サーベイランス研究を完了し、研究結果をベトナム国内外に広く還元すべく、2021年7月の
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2019〜2020年に第1回薬剤感受性サーベイランス研究を完了し、研究結果をベトナム国内外に広く還元すべく、2021年7月の欧州臨床微生物学会(ECCMID)で発表しました。2023年2月からは、ベトナム国内での検査技術向上を目的とする中央ラボの設立を含め、第2回薬剤感受性サーベイランス研究を開始しました。
当社は、今後も途上国での医療改善につながる「医療アクセスの強化」を重要視し、取り組みます。
※薬剤感受性サーベイランス:主な細菌の薬剤感受性(どの抗菌薬が有効か)を調査・監視すること。地域や病院施設の特徴を把握でき、抗菌薬の初期治療の参考になる。
薬剤感受性サーベイランス研究開始のセレモニー
薬が菌やウイルスをやっつける仕組み 薬が作用する仕組み Vol.3 | 住友ファーマ株式会社 (sumitomo-pharma.co.jp)
監修:蟹江憲史(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)