Material Issues マテリアルイシュー
住友ファーマグループは、社会の持続可能性への貢献と自社の持続的成長の両立を実現するため、多様かつ変容する社会からの期待・要請に対してグループの持つ資本(強み)を活用し、私たちだからこそできる価値創出を行っていきます。そのために取り組む重要課題を「マテリアルイシュー」として2023年3月に改めて特定しました。
マテリアルイシューマップ

マテリアルイシュー特定のプロセス
STEP1 社会課題/ニーズおよび住友ファーマグループの資本(強み)のリストアップ
SDGs、グローバルリスクレポート、各種フレームワーク(GRIスタンダード、SASBスタンダード、ISO26000、国連グローバル・コンパクト10原則)、ESG調査の評価項目(DJSI、FTSE、MSCI)などを参考に、社会課題/ニーズのリストアップを行いました。
また、住友ファーマグループの資本(強み)については社内ヒアリングをベースに、機関投資家から提供された情報も加味した上でリストアップを行いました。
STEP2 イシューの評価
リストアップした社会課題/ニーズの中から、住友ファーマグループの資本(強み)に関連するものをイシューとして抽出しました。これらのイシューに対して、「社会からの期待」と「企業価値向上への影響度」の2軸を設定し、それぞれ3段階で評価※することで、優先的に取り組むべきイシューをマテリアルイシューとして特定しました。
イシューの評価はサステナビリティに対する外部コンサルタントからの助言も参考に行っています。
- ※「社会からの期待」では、「イシューに対する社会の関心度」および「イシューへの取組に対する製薬企業への期待度」を、「企業価値向上への影響度」では、「理念との整合性」および「イシューの取組を通じた企業価値へのインパクト」を要素とし、イシューを評価しています。
STEP3 マテリアルイシュー最終化
マテリアルイシューは複数回の経営会議にて審議の上、取締役会にて承認を受け、最終化しています。
マテリアルイシューの目標・KPI
毎年度、経営会議を経て、各マテリアルイシューに目標とKPIを設定しています。当社グループが社会の持続可能性への貢献と自社の持続的成長の両立を実現するためには、設定した目標の達成に向け、KPIで進捗状況を確認し、軌道修正を行うことが重要です。
当社グループでは各年度の進捗状況を翌年度に経営会議や取締役会で確認することでマテリアルイシューの実効性向上に向けた取組を進めています。
マテリアルイシューの変遷
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2022年度マテリアルイシュー特定および進捗確認(2023年7月)
マテリアルイシューの目標とKPIおよびマテリアルイシュー特定時点(2023年3月)の状況 (統合報告書2023, P91-94)
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2021年度の進捗確認およびKPIの一部修正(2022年7月)
マテリアリティの目標とKPIおよび2021年度の進捗 (統合報告書2022, P-35-38)
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マテリアリティの目標およびKPIの設定(2021年6月)
ステークホルダーとの対話を通じて得られた意見を踏まえ、マテリアリティの各項目について検証を行った結果、マテリアリティの変更は行わず、各項目の目標およびKPIを設定しました。設定に当たっては、事業計画や経営課題との連動に加え、進捗を評価・分析できる指標としました。非財務情報も含めた当社の取組を社会と共有することにより、ステークホルダーとの更なる対話の促進につなげました。
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2020年度マテリアリティの変更(2020年7月)
- ①「価値創造につながるマテリアリティ」の項目である「革新的な医薬品と医療ソリューションの創出」は精神神経、がん、再生・細胞医薬、感染症、フロンティアを記載していましたが、ベストインクラスをはじめ、5つの領域以外の研究開発にも注力していくことを踏まえ、領域の記載を削除しました。
- ②「事業継続の基盤となるマテリアリティ」では、世界的な人権への関心の高まりに鑑み、すべての事業活動を通じた人権尊重に一層取り組むべく整備を行い、「CSR調達(人権の尊重)」を「人権の尊重」「CSR調達」に分けました。
マテリアリティの一部変更
人権については、「人権」をご覧ください。
マテリアリティの定性指標を設定
当社は、当社の持続的成長および企業価値向上を目指すにあたり、経営会議で複数回審議のうえ、各マテリアリティの定性指標を設定しました。
現時点の指標は当社グループ全体の指標と日本国内の指標が混在しているため、当社の事業戦略を踏まえ、より適切なものとなるよう、今後も見直すことにしました。 -
2019年度マテリアリティの変更(2019年8月)
ステークホルダーとの対話をもとに、マテリアリティを以下の2つに分類しました。
- ①当社の持続的成長のために重要な独自性の高い「価値創造につながるマテリアリティ」
- ②事業活動の継続のために不可欠である「事業継続の基盤となるマテリアリティ」
主なマテリアリティの選定理由、価値創造との関係は以下のとおりです。
革新的な医薬品と医療ソリューションの創出 /サイエンス発展への貢献
アンメット・メディカル・ニーズに対応する革新的な医薬品や医療ソリューションを創出することは当社の事業そのものであり、価値創造の源泉になります。また、創薬研究、製品開発、臨床開発を通じて、サイエンス発展にも貢献できると考えています。
従業員の育成/働き方改革 /ダイバーシティ&インクルージョン
事業は従業員によって成り立っています。従業員の能力向上、労働生産性向上、人材の有効活用は、当社の持続的成長には不可欠であると考えています。
グローバルヘルスへの貢献 /医薬品アクセス向上への取組
当社はマラリアや薬剤耐性(AMR)菌感染症に対する創薬研究を実施しています。また、国内における未承認薬・適応外薬の開発要望への対応、服薬に関するリテラシー向上を目指した市民啓発など、当社医薬品を必要とする患者さんのアクセス向上に努めます。これらの活動はグローバルヘルスに貢献するとともに、当社の事業拡大にも寄与すると考えています。
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2018年度最初のマテリアリティの特定プロセス(2018年7月)
ステップ1:課題の抽出
国際的ガイドライン、社会的責任投資(SRI)の評価項目など※を参考に、グローバルな社会課題やESGのトレンドを考察し、当社が検討すべき課題を抽出しました。
※SDGs、GRIガイドライン、ISO26000、DJSI、FTSE4Good、MSCIなどステップ2:課題の絞り込み
各種の対話を通じてステークホルダーから当社に寄せられる期待を踏まえ、さらに絞り込みを行いました。
ステップ3:優先順位づけ
「社会課題の大きさ(ステークホルダーから寄せられる期待や社会的要請の強さ)」と「当社にとっての重要性」の観点から分類し、優先順位をつけました。
ステップ4:議論と承認
経営会議での議論を経て、経営連絡会にて全取締役と共有しました。