肝臓病のかゆみの特徴
監修 虎の門病院 肝臓センター 熊田 博光先生
かゆみには、虫刺されやかぶれなどで“皮膚が赤く腫れている”“ブツブツしている”といった皮膚のトラブルが原因で起こるタイプのかゆみと、見た目には異常がないタイプのかゆみの2種類があります。
皮膚のトラブルが原因のかゆみは、アトピー性皮膚炎、じんましんなどの皮膚の病気です。
一方、皮膚に目立った異常がみられないにもかかわらず、かゆみがある場合には、肝臓病などの内臓の病気を原因とすることがあります。
このような肝臓病のかゆみは、全身がかゆい、お薬が効きにくいなどの特徴があります。
お薬が効きにくいしつこいかゆみは要注意
古くから「皮膚は内臓の鏡」といわれますが、肝炎や肝硬変などの肝臓病の患者さんでは、皮膚に目立った異常がみられないにもかかわらず、皮膚に強いかゆみを生じることがあります。
肝臓病によるかゆみは、以下のような特徴があるといわれています。
- ① 見た目に異常がなくてもかゆい
- ② かいてもかいてもかゆみが治まらない
- ③ 全身にあらわれる
- ④ かゆくて眠れない
- ⑤ 一般的なかゆみ止めが効きにくい
このように肝臓病のかゆみは、かいても治まらない、お薬を塗っても効きにくいなど、QOLを低下させ、ときには睡眠障害の原因となります。かゆみでお悩みの方は、ひとりで悩まず、あきらめず、医師にご相談ください。
また、逆に原因のはっきりしない、しつこいかゆみが続く場合には、肝臓病などの重大な病気が潜んでいる可能性がありますので、早めに医師にご相談ください。