Human Rights 人権
人権の尊重に関する基本方針
当社は、社会の持続可能性への貢献と当社グループの持続的成長の両立を実現するため、「人権の尊重」をマテリアルイシューの一つとしています。これまでも「行動宣言」の第5項において「人権を尊重します」を掲げ、国際的な人権の基本原則の趣旨に賛同するとともに、国際連合「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠、各国・地域の労働と雇用に関する法律を遵守することを明確にしてきました。
また、「コンプライアンス行動基準」の第25項において「人権の尊重、差別・嫌がらせ等の禁止、ハラスメントの禁止」を掲げ、人種、国籍、出身、祖先、民族、年齢、宗教、信条・思想、性別・ジェンダー、性的指向、性自認、配偶者の有無、学歴、障がい、疾病、雇用形態等を理由とした差別・嫌がらせを行わないことを明記し、全ての行動において実践しています。
2022年3月1日には、事業活動全体における人権リスクを特定し、その防止または軽減を図るため、取締役会による決議を経て、当社グループの人権尊重への取組に関する全ての文書・規範の上位方針として「SMP Group Human Rights Policy」を制定・施行しました。
人権尊重推進体制
当社は、各部門で適切に人権尊重を推進する体制・手続き等を定める「人権尊重推進規程」を、2022年9月1日に制定・施行しました。人権尊重への取組は、コンプライアンス推進体制および及びリスクマネジメント推進体制と情報共有の上、定期的(年1回以上)に取締役会に報告され、監督されています。
人権尊重推進規程に基づき、人権尊重推進担当執行役員の統括のもとでコーポレートガバナンス部に事務局を設置し、人権デュー・ディリジェンス※の実施を含む人権尊重を推進する体制を構築しました。事務局は、当社各部門の取組を支援するとともに、住友ファーマグループにおける人権尊重の推進に関する活動状況を把握し、指導および助言を行います。
- ※人権への悪影響の評価、調査結果への対処、対応の追跡調査、対処方法に関する情報発信を実施する一連の流れのこと
これら当社の人権の尊重に関する基本方針、推進体制や取組の社内浸透を目的に、毎年12月の人権週間に合わせて全従業員を対象としたe-ラーニングによる「ビジネスと人権」に関する研修を実施しています。2023年度は人権デュー・ディリジェンスをテーマに取り上げて実施しました。
人権尊重推進体制図

人権デュー・ディリジェンス
人権尊重推進体制のもと、2022年度より外部コンサルタントを活用し、人権デュー・ディリジェンスの一環として当社グループの人権リスク評価を開始しています。2023年度は欧米を除くグループ会社を対象に、強制労働の禁止、児童労働の禁止、差別の禁止、公正な処遇、賃金および労働時間、結社の自由、先住民の生活および地域社会の尊重など人権尊重に関する事項を含めたSAQ(Self-Assessment Questionnaire)を用いて人権リスク調査を実施しました。2024年度は欧米のグループ会社の調査を実施し、当社グループの人権リスクの特定を進めるとともに、当社グループとしての人権尊重への取組を深化させていきます。
ビジネスパートナーに対しては、当社の「ビジネスパートナーのためのサステナブル行動指針」に基づいてサステナビリティ評価を開始し、バリューチェーン全体での持続可能な社会・環境の実現やそのためのビジネスパートナーとの協働を進めています。サステナビリティ評価には上述した人権尊重に関する事項が含まれており、2023年度は国内の主要な一次サプライヤー10社に対して「サステナビリティ調査票」への回答を依頼しました。2024年度は、その回答を分析し、調査対象会社に評価結果のフィードバック、必要に応じて改善計画立案の要請を実施するとともに、新たに評価対象のビジネスパートナーを選定し、サステナビリティ評価の対象を拡大していきます。
「サステナビリティ評価の詳細は「ビジネスパートナーのためのサステナブル行動指針」をご覧ください。
人権に関する相談・報告
当社グループ会社の役員および従業員に加え、そのご家族および取引先の皆様、当社グループ会社の事業に何らかの関与がある全ての方々からの人権への負の影響またはその恐れに関する相談・報告については、コンプライアンス・ホットラインにて受け付けます。コンプライアンス・ホットラインをご利用される場合は「個人情報の取扱い、コンプライアンスに関するお問い合わせ」をご確認ください。
ハラスメント防止の取組
職場におけるセクシュアルハラスメントやパワーハラスメントは、個人の尊厳を傷つけるという意味において、人権侵害に関わる重要な問題です。当社は、就業規則の服務規律でハラスメント防止に関する方針を明文化し、これに違反した場合は懲戒の対象となることを明確にしています。
当社では、当社の事業活動と人権の関わりについての教育を行い、社員一人ひとりの、人権に関する理解を深めています。新入社員研修では、医薬品の研究開発、製造販売に携わる一員として、人権を尊重するマインドの醸成を図っています。また、階層別研修や管理職を対象とした研修を通して、正しい知識を身につけ、ハラスメント防止の意識を高めることを徹底しています。
2022年度は全従業員を対象に、多様なハラスメントの理解とその対応やアンコンシャスバイアスをテーマにe-ラーニングによるハラスメント研修を実施しました。また、2023年度は、社内のコンプライアンス研修の共通テーマとしてハラスメントを取り上げ、セクシュアルハラスメントおよびパワーハラスメント研修を実施しました。

当社は、従業員一人ひとりが安心して仕事に専念できる職場環境づくりのため、当社関係者全てを対象とした各種相談窓口を設置しています。相談窓口には守秘義務があり、相談者の秘密を守るとともに、相談者に対する不利益な取り扱い(報復・嫌がらせなど)から相談者を守るなど、安心して相談しやすい環境に配慮しています。
また、本社をはじめとした主要事業所には、各種相談窓口担当者を設置し、苦情の申し出や相談に迅速かつ丁寧に対応できる体制を整えるなど、全社一体となってハラスメントの防止に取り組んでいます。
「各種相談窓口」の詳細は「従業員の健康・安全衛生」をご覧ください。
労働組合との関係
住友ファーマ労働組合は当社の社員で構成されています。人事制度や安全衛生などに関して、定期的に労使協議の場をもち、それぞれの立場からの意見交換を進めています。
その他の人権
- 治験における人権尊重については「治験に対する取組」をご覧ください。
- 研究倫理における人権尊重については「研究倫理審査委員会」をご覧ください。
- グローバルヘルスにおける人権尊重については「医薬品アクセス向上の取組」をご覧ください。