Contribution to Societies and Local Communities 地域・社会への貢献

住友ファーマの地域・社会貢献活動に対する基本姿勢

当社は、「行動宣言」において、「行動宣言7.社会との調和を図ります」を掲げており、良き企業市民として活動することを基本姿勢とし、従業員の高い意識醸成に取り組んでいます。
当社は、地域・社会貢献活動に対する基本的な考え方を以下のとおり定め、従業員一人ひとりが、より良い形で社会貢献活動に取り組むことができる制度を積極的に設けています。

住友ファーマの社会貢献活動に対する基本的な考え方

  • 当社が、社会からの信用・信頼に支えられて事業を営んでいることを、従業員が常に意識する
  • 地域や人々の多様な価値観や文化を理解・尊重する
  • 社会との調和を意識し、社会の一員としての責任と貢献を果たす

当社に寄せられる期待や要望を積極的に把握し、事業および地域・社会貢献活動の取組に反映し、地域・社会貢献活動として「次世代育成」、「寄付支援」、「社会貢献」の3つのカテゴリで社会の課題解決に取り組んでいます。

地域・社会貢献活動に対する基本的な考え方

次世代育成

当社は、社会貢献活動の一環として、製薬企業としての強みを生かした「学びの機会」の提供を通して、次世代育成支援活動に取り組んでいます。

小中学生向けキャリア教育本「おしごと年鑑」に協賛

当社は、2021年度より朝日新聞社が発行するキャリア教育支援教材「おしごと年鑑」に協賛しています。「おしごと年鑑」は小・中学生に向けたキャリア教育用副教材として発行されている書籍で、全国約3万校の国公私立小学校、中学校と教育委員会へ無償で提供されます。
当社は「未来を生み出す科学技術のお仕事」の一つとして、iPS細胞とその活用方法についてわかりやすく説明しています。
「おしごと年鑑」ウェブ版は、https://oshihaku.jp/nenkan/page/14376958をご覧ください。

お仕事年鑑表紙_2023
おしごと年鑑_内容

「おしごと年鑑2023」の掲載内容

中学生のオンラインキャリア教育「キャリアチャレンジデイ On-Line Meets」に参画

コロナ禍で職場体験ができなかった全国の中学校を対象に、株式会社キャリアリンクが開催するオンラインキャリア教育「キャリアチャレンジデイ On-Line Meets」に当社は2020年から参画しています。1回の授業ごとに地域の異なる3つの中学校と企業がつながり、オンライン授業でキャリア教育を行います。授業は講師のトークパートと生徒からのインタビューパートが半々で構成されており、双方向のやり取りができるのもこのプログラムの大きな特長の一つです。
当社では若手研究員が講師となり、創薬研究というテーマで、当社のSDGsの取組と講師自身の仕事について授業を行います。生徒からのインタビューでは講師のキャリアへの質問に加え、製薬産業全体の今後の課題など思いもよらない鋭い質問を受けることもあり、講師は自身の仕事を振り返ると共に新たな気づきを得ています。
今後、社会の担い手となる子どもたちに対して、科学や医薬への興味・関心を高めてもらえる活動を推進し、人々の健康で豊かな社会を共に創る次世代育成を目指します。

キャリアチャレンジデイ On-Line Meetsの様子1

生徒は自分の興味のある職種の企業を選択

キャリアチャレンジデイ On-Line Meetsの様子2

生徒インタビューパートの様子

株式会社キャリアリンクによる「キャリアチャレンジデイ On-Line Meets」の詳細は、https://www.ccd-online.jp/をご覧ください。

生命・倫理の総合探究教育

当社は2012年から中学校や高校にて当社の社員が企業講師となる「出張授業」に取り組んでいます。これまで約150校以上の中学校、高校で実施し、およそ13,000人以上の生徒に授業を行ってきました。 2020年からは、高校生を対象に「ゲノム解析」や「遺伝」を題材に科学技術の発展の先にある課題について生徒自身が考える当社独自の授業プログラムを実施しています。生命や倫理といった正解がないものに対して、他者のさまざまな考え(多様性)を受け入れながら、自分はどう判断するのかを考え、自分なりの意見を導き出す力の育成をサポートする内容です。本プログラムは、生物の授業のみならず、総合的な学習、公共(現代社会)などの授業でも実施でき、実施した学校の先生方から高い評価を得ています。

住友ファーマ株式会社 道徳教育プログラム 科学技術と人の幸せ

こうした取組は、生徒たちの科学への興味・関心を喚起し、地域コミュニティの教育の質を向上させるだけでなく、当社への信頼感を高めるものと考えています。

当社の出張授業についての詳細はhttps://www.career-program.ne.jp/action3/program/010.htmlをご覧ください。
授業の様子については「活動報告」をご覧ください。

担当者の想い

担当者

 

当社がめざす「すべての人々の健やか」の実現には、医薬品をはじめとする医療の充実のみならず、病気や障がいに対する社会の思いやりが大切だと考えています。社会の思いやりは、健康や生命について正しく知識を持ち、深く考え、自分ごととして感じること、他者を尊重することにより育まれると考えています。また、再生医療の実用化などの医療技術の進歩に伴い、「生命倫理」は教育において重要性を増しています。 本プログラムを通じて、科学技術の発展の先にある課題について自分ごととして考え、生徒が他者の異なる考え方(多様性)を認めることにより、自己理解や他者理解が深まり、思いやりの心が育まれることを期待しています。

コーポレートコミュニケーション部 CSRグループ 沼田 聡美 (所属部署は取材当時のものです)

 

くすり教育コンテンツ「すこやかコンパス」のウェブサイトへの掲載

当社は、2012年より、未来を担う子どもたちおよびそのご家族に向けて、当社ウェブサイトに「すこやかコンパス」を掲載しています。
iPS細胞を用いた最先端の薬の研究開発の話から製薬会社の具体的な仕事内容や薬の使い方、薬の自由研究の方法、最新の話題として新型コロナウイルスワクチンの解説まで、薬にまつわるコンテンツが充実しています。
子どもたちに親しみをもっていただけるよう10代に人気のイラストレーターを起用し、ナビゲーターの「スコッピィ」が薬に関して解説したり、疑問に答えたりしています。
すこやかコンパスが、子どもたちが薬に対する興味・関心をもつきっかけとなり、薬を正しく理解し使用することの大切さを学ぶくすり教育の一助になることを願っています。

すこやかコンパス_トップ画面
「すこやかコンパス」のナビゲーター スコッピィ

「すこやかコンパス」のナビゲーター スコッピィ

すこやかコンパスの主なコンテンツ

コンテンツ名 掲載内容
月刊からだコラム 中高生の日常に関係のある、からだや健康などに関する話題を紹介
未来つくろう!SDGs部 健康とSDGsの関係、SDGsに関する中高生の取組、当社の取組を紹介
薬の「こまった!」解決帳 薬局やドラッグストアで買える「市販薬」を選ぶとき、薬を飲むときに役立つ事例の紹介
くすりの仕事図鑑 製薬企業での仕事、薬剤師の仕事、その他薬に関する仕事を紹介
薬の自由研究ガイド 薬に関する自由研究の方法や研究のまとめ方についてのガイド
くすりの挑戦 当社における最先端の薬の研究開発を紹介
くすりのいろは 薬の役割、薬が作用する仕組み、薬が誕生するまでの道のり、ワクチンの解説など、身近なのに意外と知らない薬に関する情報を紹介
おくすりQ&A 薬の飲み方などについて、Q&A形式で解説
すこやか活動レポート 当社が取り組んでいる「すこやか」を応援する社会貢献活動を紹介

その他、国内外の次世代育成活動については「活動報告」をご覧ください。

寄付支援

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止に対する支援

当社は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策支援として以下の支援を行いました。

日本における支援活動
  • 医療防護具(フェイスシールド、マスクおよびガウン)を日本国内の自治体および団体等へ寄付(当社グループ役員・従業員からの1,000万円を超える寄付による製作分を含む)
  • 北里研究所による新型コロナウイルス感染症治療薬の早期発見を目指す「COVID-19対策北里プロジェクト」への寄付
  • 厚生労働省の要請を受け、国立感染症研究所における「新型コロナウイルス感染症の治療に用いる医薬品の基礎的なスクリーニング計画」の協力の呼び掛けに応じ、医薬品原薬を提供
  • COVID-19に関するREADYFOR株式会社が展開するクラウドファンディングに参画
北米における支援活動

米国子会社であるサノビオン社(現スミトモファーマ・アメリカ社)では以下の活動を行いました。

  • 米国の災害時慈善活動センターのCOVID-19対策基金への支援金の寄付
  • マサチューセッツ州緊急事態管理局やニュージャージー州緊急事態管理事務局への医療防護具の寄付
  • 自社食料品取扱業者との連携による団体への食料の寄付や財政支援
  • カナダのイノベーティブ・メディシンズ・カナダとの連携によりCOVID-19基金を設立
中国における支援活動

中国子会社である住友制葯(蘇州)有限公司は、中国赤十字基金会に100万元(約1,500万円)を寄付し、この寄付金は中国・武漢の病院で医療関係者がより安全に治療できるよう、医療防護具や治療設備の調達に充てられました。

国内団体への支援

当社は、スローガンのもと、「患者さんやご家族の一人ひとりが、より健やかに、自分らしく過ごせるように」という想いで社会貢献活動に取り組んでいます。

当社が重視する「患者さんとご家族への支援」、「グローバルヘルス」および「地域貢献」に取り組む団体に対しては、「役員・従業員からの寄付金」に「会社からの寄付金」を合わせて、寄付を行っています。2022年度は「認定NPO法人 難病のこども支援全国ネットワーク」「認定NPO法人 TABLE FOR TWO International」「認定NPO法人 ノーベル」「認定NPO法人 フローレンス」を支援しました。

上記以外の主な寄付先(2022年度)

生物多様性
  • 公益信託経団連自然保護協議会
  • 公益財団法人 知床財団
  • 一般財団法人 西表財団
  • 公益社団法人 日本環境教育フォーラム
地域貢献
  • 社会福祉法人 大阪ボランティア協会
  • 社会福祉法人 豊中市社会福祉協議会
  • 3世代交流ハッピー食堂あいのわ
次世代育成支援
  • 一般社団法人 日本くすり教育研究所
  • 一般社団法人 OSAKAあかるクラブ
グローバルヘルス
  • 特定非営利活動法人 Malaria No More Japan
  • 特定非営利活動法人 ピープルズ・ホープ・ジャパン
その他
  • 公益社団法人 NEXT VISION
  • 社会福祉法人 日本聴導犬協会

社会貢献

ココワークの野菜を地域の子ども食堂へ提供

当社の特例子会社「株式会社ココワーク」(以下「ココワーク」)で育てた野菜を地域の子ども食堂(豊中市、吹田市)へ提供する取組を行っています。子ども食堂は子どもの孤食を防ぎ、地域での居場所を作ることなどを目的に開催されていますが、限られた予算の中で食事を提供するため、食材の確保に苦労している子ども食堂が多いという実情があります。さまざまな理由により、野菜を購入する金銭的な余裕がないご家庭に対し、ココワークの新鮮な野菜を通じて子どもたちの健全な成長を支援するとともに、野菜が苦手な子どもたちには新鮮な野菜を食べてもらい、野菜のおいしさも伝えたいと考えました。COVID-19の影響で子ども食堂をお休みしている場合は、地域の団体・企業等から寄付された食材と合わせた無料配布会でも提供しています。ココワークの野菜は、新鮮でシャキシャキ、おいしい、にがみが少ないと大好評です。
また、支援が必要な子どものいるご家庭へ直接お弁当を届ける、豊中市のこども見守り宅食モデル事業のお弁当にも使われています。宅食をきっかけに、不登校だった子どもが学校に行けるようになったり、福祉サービスを利用するようになったりとさまざまなつながりも生まれ、ココワークの野菜が、そのつながりを生む手段としても有効な「食」の一助となっています。

水耕栽培されたココワークの野菜

水耕栽培されたココワークの野菜

こども食堂へ野菜を提供(豊中市)

こども食堂へ野菜を提供(豊中市)

ココワークの野菜を使用したお弁当

ココワークの野菜を使用したお弁当

社会福祉施設における社会貢献活動

当社は、生命関連企業として、役員・従業員による社会福祉施設および団体への支援活動に積極的に取り組んでいます。
患者支援活動の一環として、入院生活の子どもたちを支える「キワニスドール」作製をサポートする活動に2015年度より継続して取り組んでいます。キワニスドールは綿を詰めた白無地の人形で、小児科の医師がドールの部位を指差しながら子どもたちの病状を聞き、手術の説明をするなど、診察や治療をスムーズに進めることに役立てられています。ドールを使って治療の説明を受けると、子どもたちは怖さや不安が低減され、治療を受け入れやすくなるようです。また、好きな色に塗って、顔や洋服を描いて遊ぶことができ、「小さなお友達」となって入院中の子どもたちをそばで支え、退院時には持ち帰って大切にする子どもたちが多いとのことです。当社は2023年度も引き続き、入院生活の中でキワニスドールを必要としている子どもたちに、この「小さなお友達」を届けました。

従業員が作製したキワニスドール

従業員が作製したキワニスドール

薬剤師ボランティアによるワクチン接種の補助業務への協力

大阪市大規模接種センターにおけるCOVID-19のワクチン接種に際し、2021年6月から大阪府薬剤師会が担うワクチン接種の補助業務に協力しました。薬剤師資格を有し、ワクチン接種会場での補助業務の協力に賛同する従業員は、ボランティア休暇制度を利用して本活動に参加しました。

東日本大震災の被災地に対する復興支援

当社は、東日本大震災の被災地および被災された方々の1日も早い復旧・復興を願って、震災復興支援に取り組んでいます。2011年5月1日付で震災復興支援の専任組織である「震災復興支援室※」を設置し、さまざまな支援を行ってきました。これからも被災地の復興状況に応じた支援活動を継続して取り組んでいきます。

  • 震災復興支援室は2012年4月1日付で廃止しています。現在、コーポレートコミュニケーション部が復興支援活動をまとめています。

これまでに実施した主な復興支援活動

  • 宮城県石巻市で被災を含む生活困窮世帯の児童を対象とした学習支援や子ども食堂の展開、不登校児童を対象としたフリースクールに取り組むNPO法人TEDICへの寄付支援(2014年から継続)
  • 宮城県薬剤師会へ派遣した薬剤師資格を持つ社員が薬剤師業務を支援(2011年4月から2011年8月の間に77名を派遣)
  • 陸前高田市へボランティアバスによる社員派遣を行い、がれきの撤去などを支援(2011年6月から2012年2月の間に144名を派遣)
  • 福島市主催の除染ボランティアに放射線取り扱い経験者が参加(2011年11月から2011年12月の間で28名が参加)
  • 幼稚園・小学校・中学校に対する運動会の開催支援(2011年度から2015年度まで福島県大熊町、2013年度から2015年度まで、岩手県大船渡市)
  • 東北の物産展の開催(2011年から2017年まで主要事業所において被災地応援物産展「マルシェ」を開催)
  • 「復興支援インターン」事業への支援(2013年に「復興支援インターン」に参加する学生の宿泊費および交通費等の経済的な支援)

環境保全活動

当社は、地球温暖化防止や生物多様性確保のため、また地域とのコミュニケーションを重視し、主要事業所の拠点地域を中心とした定期的な清掃活動や環境保全活動に取り組んでいます。詳細は「生物多様性への取組」をご覧ください。

米国での地域貢献活動

サノビオン社(現スミトモファーマ・アメリカ社)では、2012年から地域奉仕プログラム「Hands On!」として、従業員が住み、働く場所でより強力なコミュニティの構築に貢献するボランティア活動に参加しています。これまでに、従業員は、青少年および教育プログラム、健康および医療サービス、地域救援イニシアチブを支援するプロジェクトに、合計32,900時間を超えるボランティア活動を行ってきました。

2020年から2022年にかけては、従業員が参加するだけではなくCOVID-19の感染防止対策がなされていることを前提に家族の参加も許可しました。活動の例として、従業員とその家族は自宅近くの地域支援施設に食料品、衣類や書籍などを寄付したり、軍人に感謝の手紙を送ったり、大学生からの就職等に関する相談にオンラインで応じたりするなどの活動が行われました。

従業員とその家族のボランティア活動の様子
従業員がオフィスに集まりボランティア活動に取り組む様子

従業員やその家族のボランティア活動の様子

従業員が世界てんかんの日やパープル・デイに取り組んだてんかん啓発は「活動報告」をご覧ください。

国際貢献活動

当社は、グローバルヘルスへの取組を重視しており、世界の保健医療の向上に取り組んでいる各種ステークホルダーに対する支援活動および偽造医薬品対策への支援活動を継続的に実施しています。

これらの国際支援活動の詳細は「グローバルヘルスへの貢献」および「医薬品アクセス向上の取組」をご覧ください。

医学振興への支援

当社では、医学・薬学、またそれらに関連する分野の研究や人材育成に寄付、支援を行っています。

寄付講座の設立への賛同

当社は、2015年4月に、国立大学法人京都大学大学院医学研究科が産学両方で創薬を担う人材の養成を目的として、寄付講座「創薬医学講座」の設立に賛同し、寄付を行いました。
寄付講座の詳細は、https://www.mic.med.kyoto-u.ac.jp/dddm/supportをご覧ください。

「てんかん治療研究振興財団」への支援

てんかん治療研究振興財団は、てんかん分野の治療研究の振興を図り、国民の保健と医療に貢献するために、旧大日本製薬株式会社の創立90周年を記念して設立されました。その後、2010年10月1日に新公益法人制度の移行認定を受け、「公益財団法人」としての新たなスタートを切り、当社および有志の方々の寄付によって運営されています。てんかん治療に関する助成事業と表彰事業を行っており、事業の公表の場として研究報告会を開催し、研究年報を刊行しています。
2022年度は、研究助成を12件、海外留学助成を2件、招日研究助成を1件行いました。当社はこれからも、当財団への支援を通じて、医療・福祉の向上に寄与していきます。
てんかん治療研究振興財団の詳細は、https://www.epi-fj.jp/をご覧ください。

研究助成

当社では、医学・薬学、またそれらに関連する分野において研究を行う研究者に対して「公募による研究助成」を実施しています。