住友ファーマの注力領域

2つの重点疾患領域とその他領域での研究開発力

当社グループは、アンメット・メディカル・ニーズが高い精神神経領域およびがん領域を重点疾患領域とし、これまで紡ぎあげてきた当社グループの経験と知識を最大限生かせるこれらの領域において、引き続き、医薬品、再生・細胞医薬、非医薬等の研究開発に積極的に取り組みます。
また、その他領域においても保有アセットを生かし、確かな価値を患者さんに届けるべく、着実な研究開発を推進します。

低分子 蓄積された経験ノウハウに基づく分子設計力・合成力 再生・細胞医薬 先駆的な取組により獲得したノウハウ 非医薬(フロンティア)メンタルレジリエンス領域での展開 その他モダリティ 最適なモダリティを追求 ☓ 精神神経領域 がん領域 その他領域※ *婦人科疾患、泌尿器疾患、糖尿病、希少疾患、感染症
将来の成長シーズの確保

中期経営計画 2027の期間での上市が期待できるがん領域の2つの開発プログラムおよび中長期の成長ドライバーとなることが期待できる精神神経領域の再生・細胞医薬開発プログラムの研究開発に注力しています。
がん領域については、急性白血病を対象としたDSP-5336および骨髄線維症を対象としたTP-3654の承認の早期取得と価値最大化を目指し、開発を推進しています。
精神神経領域では、世界初のiPS細胞の実用化とゲームチェンジャーとなる治療の実現に向け、他家iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞のパーキンソン病を適応症とした日本での承認申請対応および米国でのフェーズ1/2試験を着実に推進していきます。また、特長ある低分子の初期臨床開発品目群については、2030年代のグループ収益を支える優先品目を選抜し、次のフェーズへの移行に向けた取組を推進しています。

研究開発

住友ファーマの事業運営

グローバル企業へと成長

当社は、2005年に大日本製薬と住友製薬の合併により誕生して以来、「事業のグローバル化」を積極的に推進してきました。北米においては、非定型抗精神病薬「ラツーダ」の自社開発をきっかけとして、自社開発・販売体制を構築し、グローバル企業へと成長しました。
2023年度の海外売上収益比率は66%を超えており、2021年以降に米国で発売した大型化を期待する基幹3製品である、「オルゴビクス」「マイフェンブリー」「ジェムテサ」の売上収益を着実に伸長させています。
今後も、北米・日本・アジアを柱とした地域戦略を推進していきます。

2006年度 海外売上比率

8.4%

2023年度 海外売上比率

66.1%

早期の業績回復と再成長に向けた方針

当社は、2023年3月期および2024年3月期と2期連続で親会社の所有者に帰属する当期損益が多額の損失となるなど、厳しい業績が続いています。全社一丸となって業績の黒字化に向け、基幹3製品「オルゴビクス」「マイフェンブリー」「ジェムテサ」の早期価値最大化、全社での徹底したコスト削減、早期の承認取得を期待するがん領域や再生・細胞医薬事業などの開発パイプラインへの資源の集中などの取組により、この難局を乗り越え、事業を再成長の軌道に乗せることを目指しています。

基幹3製品の売上収益推移

オルゴビクスおよびマイフェンブリーは、Pfizer社と2020年に締結した開発および販売提携契約により、当社グループが最大35億米ドルの販売マイルストンを受領する可能性があります。